ご協賛関係各位 様
皆様ご承知の通り、第30回ダカールラリー(通称:パリダカ)は、通過国であるモーリタニアのテロ事件発生に起因し、フランス政府が大会開催の中止を要請、大会主催者A.S.O.は参加者の人命の安全を最優先に考え、スタート前日の1月4日、大会中止の発表となりました。
ご支援ご声援をいただきましたスポンサーの皆様方には、誠に残念なご報告となり、ご迷惑ご心配をおかけしておりことを、深くお詫び申し上げます。選手およびチーム関係者は、フランスのチームガレージへ一旦戻り、後処理を済ませ、本日帰国いたしました。
ご支援頂きました皆様方に、改めて大会が中止になった経緯に加え、スポンサー様への今後のご対応を、ご説明させて頂きたいと考えております。今後どのようにさせていただくかを早急に検討いたしまして、可能な限り早い段階で、改めてご連絡をさせていただきますので、宜しくお願い申し上げます。
なおダカールラリー総責任者エチエンヌ・ラビーニュ氏より
公式サイト上にてコメント(1月4日付、1月9日付)が発表されていますので、
以下、日本語訳をお送りいたします。
■2008/01/04 - ダカールラリー主催者ASOが2008年大会をキャンセル
ダカールラリーの主催者ASOは、来る1月5日から20日に予定されていたリスボン〜ダカール・2008年大会を中止にすると発表した。主催者は大会を実施させるべくフランス政府、とりわけフランス外務省と数度にわたる交渉を重ねたが、最終的に中止の決断にいたった。
国際情勢の緊張の続く中、去る12月24日にモーリタニア国内で4人のフランス人旅行者がアルカイダに関連するイスラミック・マグレブと呼ばれる武装グループによって殺害され、事件現場が大会コース上であったことから、現状ではテロリストに対しての妥当な解決策がとれないと判断し、大会の中止を決定した。
ダカールラリーの主催者として、通過国の住民はもちろんのこと、アマチュア、プロフェッショナルを含めた競技参加者、アシスタントやジャーナリスト、メディア関係者、その他、大会関係者など、全員の安全を何よりも優先しなければならない。
過去において、そしてこれからも、ダカールラリーにおいて安全への考慮は最優先事項である。ASOが丸一年をかけて準備したすべてが、そして何よりもこの世界一過酷なレースに向けて、これまで準備してきた競技者や関係者の努力が、テロによって無に帰することとなる。
ポルトガルやモロッコ、モーリタニア、セネガルの準備に関わってきた人々、大会で裏方を担当する現地の人々や観衆の無念、中止によって背負う大きな経済的影響を考慮すると、安易に決断するわけにいかない非常に大きなフラストレーションであった。
ASOは今後も世界的なモータースポーツイベントの実施に向け、また、サブ・サハラ地域での過去5年にわたる環境ボランティアSOSサヘル・インターナショナルの継続に向けてさらなる努力を続ける所存である。ダカールラリーはシンボルである。シンボルは何者も揺るがすことはできない。2008年大会の中止はダカールラリーの将来を否定するものではない。ASOはダカールラリーへの忠誠とモータースポーツへの情熱をかけて、2009年からのアドベンチャーをラリーレイドの熱狂者らに提供すべく、再び挑戦する。
ダカールラリー総責任者
エチエンヌ・ラビーニュ
■2008/01/09 - ダカールラリー総責任者エチエンヌ・ラビーニュからのメッセージ
「思いっきり叩きのめされた!だが、もう大丈夫だ!」
私は断固、宣言する「冒険はまだ終わらない」と。私たちは30周年にあたるダカールラリー2008年大会を最も過酷で、厳しく、強烈なインパクトを与えるレースにしたいと願った。皆さんはこのチャレンジに参加するという選択をし、膨大な時間とエネルギーと資金をつぎ込んできた。
皆さんと私たち主催者の全員共通のチャレンジが、まさにこれから始まろうという瞬間に、すべて消え失せてしまった。皆さんにとっても、私たちにとってもあまりのショックで、この影響はあまりに大きい。皆さんひとりひとりの失望を思うと心が締め付けられるようだった。
しかし、ユーロミルホー・ダカールラリー2008の中止は、私たちが入手した情報のもとでは唯一の妥当な選択肢だったと確信している。ラリーの安全に直接関るテロの危険を、主催者の責任上絶対に認めるわけにはいかない。あの場で他に取るべき道はなく、今現時点で、我々が決断した選択肢を後悔はしていない。リスボンでの衝撃に動揺していた時、皆さんの品位ある対応に私たちは非常に心を打たれた。
競技者やスポンサーの皆さん、そして関係者の皆さんの姿勢は、まさに私たちがイメージしていたそのものだった。皆さんの我々に対する信頼を感じ、絶対に裏切ることができないと思った。それゆえに、今度は私たちが皆さんに希望のメッセージを送る番だ。なぜなら、私たちはいつも将来に目を向けてきた。未来にこそエネルギーを注ぐべきなのだ。ラリー競技者の情熱と想いは、憂鬱な気分など簡単に吹き飛ばしてしまうだろう。さあ、将来に向けて再び立ち向かおう。ダカールラリー2009への挑戦を。それは皆さんの挑戦でもあるが、私たちにとっても新たな挑戦である。
ダカールラリー総責任者
エチエンヌ・ラビーニュ